SUBMARINE

株式会社摂津金属工業所 × 江口海里

2020年世界中に広まったCOVID19は、人々に新しい社会像「NEW NORMAL」をもたらしました。その意味は短くても数年はこの見えないウィルスと共存する覚悟と、それに伴う物やシステムを含めた社会構造が変化した先にある新しい標準「NEW STANDARD」を意味するものだと考えています。そうした新しい社会において消毒液スタンドのあるべき姿を想像したとき、あたかも最初からそこにあったかのような佇まいをもたらすべき姿であり、各空間のエントランスに消毒液が置かれているという違和感を拭いさるものであるべきと考えました。

また多くのユーザーは今回のウィルス騒動をすでに許容し、インフラ化されていく感染症対策を潜在意識化で理解しています。このSUBMARINEは公共物としての消毒液スタンドの標準を目指したものであり、限りなく空間に調和し、ユーザーに余計な情報を与えず、淡々と職務を全うするものです。

空間と人に調和する角の取れた四角柱に潜んだ市販の消毒液のノズルだけが頭を出ているその姿は、信号機や水道や街頭などの存在と近しい、恒久的に設置されるために極めて端的な姿をしています。

※特許申請中
グッドデザイン賞2021 授賞

COMPANY

株式会社摂津金属工業所

株式会社摂津金属工業所

昭和11年創業、東大阪市のスチール製家具工場。店舗用の陳列什器、陳列部品、オフィス家具、住宅用設備機器などの製造販売を手掛ける。商品の構想・提案を行う設計開発部を有し、プレス、板金、溶接、塗装、組立梱包まで一気通貫の生産ラインが強み。最新の加工設備により多品種変量生産に対応、また商品の企画開発からの相談、試作製作が可能。

DESIGNER

江口海里

江口海里

工業デザイナー、クリエイティブディレクター。KAIRI EGUCHI STUDIO 代表。2008 年よりフリーランスとして活動を開始し、2021 年法人化。iF DESIGN AWARD( ドイツ )、A’ DESIGN AWARD( イタリア )、DESIGN FOR ASIA AWARD( 香港 )、GOOD DESIGN AWARD( 日本 ) など授賞し、MILANO SALONE( イタリア )、TENT LONDON( イギリス )、EAST DESIGN SHOW( 中国 )、DESIGNART TOKYO( 日本 ) などに出展。